美術館の舞台裏 ──魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)本pdfダウンロード
美術館の舞台裏 ──魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)
によって 高橋明也
5 5つ星のうち(11人の読者)
美術館の舞台裏 ──魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)本pdfダウンロード - 一九九七年、スペインのさびれた地方都市ビルバオに世界的に有名な建築家フランク・ゲーリー設計のビルバオ・グッゲンハイム美術館が誕生しました。その集客は最初の3年間で400万人、収益約5億ユーロ!しかしこの美術館は存続の危機に陥った老舗名門美術館による起死回生の挑戦でした。美術品の保存と研究を旨とする美術館に、今、商業化とグローバル化の波が押し寄せています。新しく変わりつつある文化の殿堂で何が起きているのでしょうか?
美術館の舞台裏 ──魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)の詳細
本のタイトル
美術館の舞台裏 ──魅せる展覧会を作るには (ちくま新書)
作者
高橋明也
カテゴリ
本
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著者は東京丸の内の三菱一号館美術館の館長。30年以上にわたって学芸員の世界をつぶさに見てきた著者が、美術館運営の興味深い舞台裏を綴った書です。今日現在、5つ星をつけているレビュアーが3人、そしてそのうち2人がこの書にのみレビューを書いているという、典型的な“お友だちがご祝儀でレビューしている、中身のない書”かと思いきや、さにあらずです。美術界のあれこれが、「です/ます」調の平易な文章でつづられていて、最後まで興趣が尽きませんでした。上野に美術館が集まっているのは、維新期に旧幕府軍と明治新政府軍とが干戈をまじえた上野戦争によってこの地が焼け野原になり、その戦後に都市計画の一環として近辺の公園化を図った結果だという話は初めて知りました。著者が館長を務める三菱一号館美術館では壁の色がグレーブラウンにしつらえてあるそうです。それは暗い色調の絵画をひきたたせるには、白やベージュといった明るい色よりもトーンを抑えたほうが良いと判断したからだといいます。美術館を訪れたときにいちいち壁の色など気にしたことはありませんでしたが、これからはその点にも注意を向けてみたいと思います。そしてなんといってもこの書で一番面白く読んだのは、ここまで明らかにしてしまってよいのだろうかというような美術館業界の本音や事実の数々です。日本の美術展が大手新聞社によって主催されるものが多いのは、海外旅行など夢のまた夢だった戦後の時代に、特権的に海外の情報を得ることができた数少ない存在が新聞社の海外特派員であったから。彼らは欧米の美術館の最新情報にアクセスすることができた。また新聞社は多少の赤字は覚悟のうえで、自社の宣伝、イメージアップにつながる美術展を開くだけの財力があった。新聞社主導で美術展が開催されるようになったため、美術館の学芸員の間にお金のマネジメントができる人材が育たないという弊害がもたらされることになった。また新聞社が主催側にまわるため、健全な美術展批評が日本のメディアでは期待できない。バブル期に日本の美術館は金に物を言わせて欧米の美術品を招聘することに味をしめてしまった。日本人は作品を金で集める習慣をつけてしまった、と海外で批判を浴びている。新設の美術館がガラス張りだった場合、施主よりも建築家の発言力が大きかったといえる。美術品は日光に弱いのだから、施主は本来、採光については慎重でありたいと考えるが、建築家は採光を積極的に考える傾向がある。このようにかなり大胆に踏み込んだ記述が多く、美術界に身を置かない私であっても、ここまで書いて大丈夫かなと心配になったほどです。
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