ジェブラーツカー・オペラ<乞食オペラ>本ダウンロードepub

ジェブラーツカー・オペラ<乞食オペラ>

によって ヴァーツラフ ハヴェル


4.1 5つ星のうち(6人の読者)

ジェブラーツカー・オペラ<乞食オペラ>本ダウンロードepub - 著者からのコメント チェコ大統領が官憲腐敗を描いた諷刺劇 政府が全体主義のもと全権力を把握する時権力は腐敗し,自由な言論は圧殺される状況が発生する.1968年に「プラハの春」と呼ばれた「人間の顔を持った社会主義」への試みがワルシャワ条約軍の介入による戦車の轍(わだち)により踏みにじられ,自由が虐殺されたチェコスロバキアはこのような状況に置かれ,絶望が全土を支配した.自由な言論は反政府的な破壊行為とされ,秘密警察の弾圧を恐れ意思表現は歪められ,言語の乱れが正常なコミュニケーションを不可能な状態に追いこんでしまった.このような言語の混乱は思考の面における精神分裂症状を引き起こし,国民・民族としてのアイデンティティが見失われる恐れさえ見られるようになった.こうした状況にあった1972年のチェコにおいて,官憲の腐敗を描くとともに国民的精神分裂の危険への警告としてハヴェル氏が書き上げたのが政治・社会諷刺劇『ジェブラーツカー・オペラ』<乞食オペラ>である.自由な言論の重要性,政治の腐敗の本質,言葉の乱れが及ぼす健全な思考への重大な影響など,現代日本人にとって『ジェブラーツカー・オペラ』から学ぶべきことは多い.それとともにこの戯曲を通じ,チェコ共和国現大統領ヴァーツラフ・ハヴェルという現代を代表する思想家に親しんでいただきたい.なおこの戯曲は1975年に1度だけ舞台にかけられた後に当局により禁止され,著者がチェコ共和国大統領となってからも忘れ去られた状態にあった.したがってこの戯曲が日本に紹介されるのは今回が始めてである.日本語への翻訳と平行して進められた英語訳は日本語版に先行して2001年半ばにコーネル大学出版局から出版されている.本多正英(翻訳者) 内容(「BOOK」データベースより) 本書で紹介する『乞食オペラ』は、チェコ共和国のヴァーツラフ・ハヴェル大統領が書かれた戯曲で、プロット設定の巧みさ、生き生きと描写されている登場人物の個性、舞台でやり取りされる台詞の洗練さと機智、これらすべてにおいて観客や読者を魅了する芸術的価値の高い完成された劇作品である。 内容(「MARC」データベースより) チェコ共和国の大統領、ヴァーツラフ・ハヴェルによって書かれた戯曲、「ジェブラーツカー・オペラ(乞食オペラ)」。芸術的価値が高いだけでなく深い歴史的・社会的意義をも備えたこの作品を紹介、裏にある意図を解説。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ハヴェル,ヴァーツラフ 1936年5月10日プラハで生まれる。20代前半より戯曲の執筆を始め、作家同盟の一員として民主化運動に参加。1989年11月9日「ベルベット革命」の先頭に立ち、民主化運動の核「市民フォーラム」を指導。その年の12月29日にチェコスロバキアの臨時大統領に就任。1990年7月5日の自由選挙を経て連邦議会はハヴェル氏を新大統領として正式に任命。1992年にチェコとスロバキア両共和国に分離。1993年1月26日初代チェコ共和国大統領に就任し、5年後に再選され現在に至る 本多/正英 1932年大阪府生まれ。大阪大学文学部卒、ボストン大学大学院留学、コロンビア大学大学院留学。毎日新聞記者、武庫川女子大学教授、ワイオミング大学客員教授を経て、現在、武庫川女子大学名誉教授 スタイナー,ピーター 1946年チェコ共和国プラハ生まれ。イェール大学大学院卒、カレル大学卒、ペンシルバニア大学文学部教授、ノース・カロライナ大学、ルーベン・キリスト教大学(ベルギー)ほか客員教授。現在、ペンシルバニア大学教授 Fidler上田/雅子 1959年東京都生まれ。早稲田大学ロシア文学部卒、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校卒、スラブ学大学院卒、現在、ブラウン大学スラブ語学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る

ジェブラーツカー・オペラ<乞食オペラ>の詳細

本のタイトル
ジェブラーツカー・オペラ<乞食オペラ>
作者
ヴァーツラフ ハヴェル
ISBN-10
4775400029
発売日
2002/1/1
カテゴリ
ファイルサイズ
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『乞食オペラ』、チェコ共和国のヴァーツラフ・ハヴェル大統領が書いた翻案劇である。オペラというタイトルだが、歌は出てこない。元々劇作家であるハヴェルが約30年前に政治的弾圧をくぐり抜けて上演するために執筆した政治風刺劇である。『乞食オペラ』の元本になったのは18世紀のイギリスの劇作家ジョン・ゲイの同名作品である。ゲイの作品をベルトルト・ブレヒトが『三文オペラ』に翻案している。なかで歌われる「マック・ザ・ナイフ」はジャズのナンバーとして有名になり、後にアメリカのボビー・ダーリンが歌ってミリオン・セラーになった。敵対するロンドンの二つの犯罪組織のボスたちと警察署長の三つ巴の陰謀合戦が骨子。結末は不条理的ハッピー・エンドであるが、その政治的メッセージは複雑である。この戯曲の理解に、波乱に富んだチェコの政治と歴史は欠かせない。チェコの春を踏みにじった歴史的事件(1986年)と、流血の惨事を経ることなく実現された「ビロード革命」(1989年)を心に置きながら読むべき貴重な文学・政治作品である。統制のきびしい当時にさまざまな危険を冒しながら、一度だけ上演された。当時の説明文や写真が生々しい。訳者の一人、フィドラー・雅子はブランウン大学助教授。共訳者の本多正英は武庫川女子大学名誉教授で元毎日新聞記者。チェコ出身のピーター・スタイナー(ペンシルバニア大学教授)と本多との「対話」が巻末に添付さており、作品理解を深めるのに重要なである。翻訳文もこなれている。2002年秋にチェコを訪問した天皇が、こちらの訳を訪問の準備に利用されたと宮内庁から訳者に報告があったそうである。この翻訳が多方面で重視されていることは一読者としてうれしい。同時に、この様な文人を国家元首としていただくことが可能なチェコ共和国の市民に喝采を送りたい。

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